宅建を持っていない不動産の営業マンが背負う3つのデメリット
不動産業界に従事すると、あらゆるケースにおいて宅建の資格の有無というのが天秤にかけられる。
しかし、現実には宅建の資格を持っていない営業マンというのは不動産業界にはかなり多く存在する。
僕の職場では50歳になっても宅建を持っていない人がおり、毎年の恒例行事のように宅建の試験を受けている。
僕は、こういう人に対して強烈に疑問に思うのだ。
なぜ不動産という業界に長年いるにも関わらず、宅建も取らずに平然していられるのだろう、と。
皆さんの会社にも少なからずこういう人はいるんじゃないだろうか。
しかし、残念ながらこういう人たちは、周りから冷ややかな目で見られ、出世の道も閉ざされている。
はっきり言って不動産の営業に従事する人が宅建を取得していないというのはデメリットが多すぎる。
今回は
「宅建を持っていない不動産の営業マンが背負う3つのデメリット」
についてお話しさせて頂こう。
できる仕事が限られる
不動産の仕事に従事されている人たちであれば、僕が言わなくても十分わかっていることだとは思うが、宅建を持っていないと
・重要事項の説明
・契約書への押印
これらの業務が遂行出来ない。
その為、持っていない人は宅建を取得している取引士に読み合わせと押印をお願いすることになろうかと思う。
これらの業務が一人でこなせないと、それに付随して
取引士の人の都合も考慮しなければならない
という制約も生じてくる。
自分の仕事は、自分がやりやすいように段取りするのが一流の営業マンなのに、宅建を持っていない人はそれが出来ない。
自分が
「この日に契約日を設定したい」
と思っても、取引士の都合が悪ければそれも出来ない。
これはもうデメリット以外の何物でもないだろう。
取引士に比べて給料が低い
多くの不動産会社で、宅建を取得すると資格手当という形で給与が上がるだろう。
僕の会社では宅建を取ると毎月給料が3万円上がる。
年間で36万円、これは非常に大きな金額だと思う。
いや、歩合やボーナス査定で給与が左右される生き物が営業マンなのだから、営業マンたるもの、こういった数字にも執着出来なくてはいけないと僕は思う。
第一印象がマイナスからのスタート
正直、これが一番大きなデメリットかなと僕は思う。
宅建を取ると、多くの不動産会社では名刺に
「宅地建物取引士」
と記載される。
そして、名刺を交換した際、宅地建物取引士の記載がない場合
「あぁ、持ってないのね・・・」
という目で見られることになるだろう。
悲しきかな、このように見てくるのは不動産の同業者だけではない。
近年では一般のお客さんもインターネットで知識を付けている人が多く、不動産情報のサイトから
「担当の営業マンが宅建を持っているかどうか名刺を見て確認しろ」
などと吹き込まれているケースも非常に多い。
本当に慎重な客だと、「宅建の有無」だけでその担当からの申し込むか否かの判断材料にする可能性すらある。
契約取り付けてナンボの営業マンにとって、客からも同業者からも宅建の有無で天秤にかけられてしまう。
これはデメリットというより、もはや致命傷と言えるだろう。
昇進に関わってくる
宅建を昇進の可否の物差しとする不動産会社は多く存在する。
大手の不動産会社になると、顕著にその傾向が見られる。
また、中小・地場の不動産会社であっても、ある程度までは出世できるが、一定の位まで来るとそれ以上は宅建がなければ出世できないというボーダーを設けていたりする。
僕が以前働いていた会社でもそのようなボーダーが設定されており、本当に仕事が出来る所長なのにもかかわらず、宅建がないが為に出世が阻まれていて、その人よりも明らかに能力的に劣る人が代わりにその人よりも上の職に昇進したりしていた。
宅建がないという事実が、ここまで己の可能性を狭めてしまうことになるのだ。
最後に
このように、不動産業に従事される方にとっては宅建は取るメリットではなく、取らないデメリットのほうが遥かに多いのだ。
宅建なんてものはぱぱっと1年で取り終えておくべき資格なのである。