宅建業法をマスターする為の3つの勉強戦略。
宅建業法は、宅建の試験で一番ウェイトが置かれている項目だ。
不動産業務にもろに直結する内容なので当然と言えば当然。
そして、この宅建業法が取れるか取れないかが、合格出来るか出来ないかの分かれ目になると言っても過言ではない。
全科目50点満点の試験で宅建業法は20点を占めている。
そして、皆さんが目指すべきは18点以上。
他の分野が取れるか取れないかも当然かかわってくるが、宅建業法で15点未満の人は不合格を覚悟した方がいいだろう。
何度も言うが、宅建業法は一番重要な分野であり、一番点が取りやすい分野だ。
毎年落ちるような輩ですら宅建業法だけはなぜか仕上げてくる。
覚えやすいしとっつきやすいからだ。
宅建と言う試験は、みんなが正解する問題は自分も確実に正解し、正解と不正解が分かれる問題をどれだけ多く正解できるかが問われる試験だということを念頭に置いておこう。
宅建の試験は
宅建業法で15点以上とって初めて戦いの土俵に上がった
と思って欲しい。
本当の戦いの舞台は権利関係・法令上の制限である。
なので、これから宅建の試験勉強を開始する人はまず宅建業法からマスターして欲しいのだが、何も考えずにただがむしゃらにやっていても効率が悪い。
科目別に勉強戦略というのは異なるので、宅建業法には宅建業法に合った勉強戦略を練る必要がある。
今回は、宅建業法の正しい3種類の勉強戦略をお伝えしよう。
宅建業法の意義を常に念頭に置く
宅建業法を勉強するときや宅建業法の過去問をとくときは常に
宅建業法は一般消費者を保護する為の法律である
ということを常に念頭に置いておこう。
不動産業者が有利になるような内容の問題が正解になることは原則ない。
例えば自ら売主制限のクーリングオフ
典型的パターンだが
不動産業者ではないAが自らの申し出により喫茶店ド〇ールで申し込みをし、翌日、不動産業者の事務所で契約をした。
さて、これはクーリングオフ出来るだろうか?
事務所で契約しているから出来ない?
正解は「出来る」である。
申し込みと契約の2段階を踏んでいる場合は契約場所はもはや関係がない。
申し込み場所で判断することになる。
申し込み場所はド〇ールコーヒーなのでこの場合はクーリングオフが出来る。
契約となると、重要事項説明やなんやで3時間くらいかかるので、一般消費者は仕事がない日を狙い、きちんと空いている日でないと締結しづらい。
ただ、物件を見た日から1週間後とかに契約日を設定すると、時間が空いて客の気持ちが変わってしまう可能性がある。
不動産屋はこれを嫌がる。
不動産屋としてはがっちり客のグリップを握っておきたいので、契約書ではなくても、契約の意思表示をさせる"申し込み書"なるものを書かせる。
これは
「自分の意思で申込書を書き、自分で重要な決断をした。」
と客に思い込ませることで契約という行為を軽んじさせない為の行為である。
でも、後日不動産業者が
「いやいや旦那、あなたウチの事務所で契約書に署名捺印して、それに印紙貼ったろ?クーリングオフは出来ませんよ!申し込み書?あんなの単なるメモ書きですわww」
って言ってくる可能性がある。
宅建業法はそれすらも想定して、徹底的に一般消費者に保護する為、申し込み書を書いた場所をクーリングオフの判定基準にしたのだ。
こんなかんじで、宅建業法は一般消費者が原則有利になるように出来ている。
宅建業法においてこの原則が覆ることはほとんどないと考えていい。
その為、宅建業法を勉強するとき、宅建業法の過去問を解くとき、常に一般消費者の保護のための法律であると意識しながら勉強して欲しい。
宅建業法は体系的に理解すること
宅建業法は必ず体系的に理解すること。
これが非常に重要。
まず体系的理解がよく分からない?
例えば業者免許と取引士。
この項目で
「業者免許の項目を勉強したら問題解いて、解き終わったら次は取引士の項目だ!」
という、点と点で学ぶ勉強方法は絶対にNG。
この項目を勉強するときは必ず二つのページを見比べながら勉強し、問題を解くときも一緒に解くのだ。
この項目は「業者免許」と「取引士」という2つの分野ではなく「業者免許と取引士」という1つの分野なのだと考えてしまってかまわない。
点と点をしっかり線で結んで勉強すること。
このように、全体像で捉えようとする勉強方法が体系的理解だ。
ただ、体系的理解とは言ってもいちいちそれぞれのページを行ったりきたりするのも面倒だと思われる。
だから、業者免許と取引士の項目が1つの表にまとめられているページがある参考書を必ず買って欲しい。
業者免許と取引士のところ以外にも、こういった体系的理解が必要になる科目、分野はいくつかあるのだが、業者免許と取引士の項目すら1つの表でまとめてくれないような参考書はどうせ他の科目や分野もまとめてはくれていないだろう。
この分野はそれぞれ分けて勉強してたら絶対に混乱するのだから、体系的理解を助けてくれないような気の利かない参考書なんて絶対に買ってはならない。
僕は現役の頃はLECの出る順宅建士合格テキストを使用しており、こちらはあらゆるところで体系的理解を補助してくれるような作りになっているので特にオススメしたい。
しっかり暗記
最後に宅建業法を勉強する上で必要になるのが
暗記
である。
当然、きちんとテキストを読んで理解するところは理解して欲しい。
だが、暗記が必須な場所もあり、このような項目は読んでいるだけではダメ。
例えば
契約書(37条書面)と重要事項説明書の記載事項。
契約書と重説は、それぞれ記載しなければいけない項目が定めれている。
しかもこの項目は、どっちに何が記載されているかという問われ方をされる問題が出る。
きちんと
・37条書面に記載しなければならないこと
・重要事項説明書に記載しなければならないこと
これをしっかり暗記しよう。
こういう項目は読んで理解するだけでは不十分。
最後に
宅建業法をする際には
消費者保護のための法律であるということを常に念頭に置き
体系的理解をし
しっかり暗記をする
これで勉強に臨もう。